絵本だより

2025年05月『たれてる』『これは もり』『はりねずみのおいしゃさん さるくんはヒーロー』『ワニくんがやってきた!』

おもしろい本に出合いました。『100万回死んだねこ』という文庫本です。

このタイトルを見て「?」と思われた方は正解です。絵本のタイトルは『100万回生きたねこ』です。でもこれを覚え違いしている人の多いこと多いこと。そんな覚え違いを集めた本なのです。
夏目漱石の『坊ちゃん』を『僕ちゃん』。『下町ロケット』を『下町のロボット』。私の大好きな『どろぼうがっこう』なんか『からすのどろぼうやさん』ですよ。混ぜてどうすんのー! 福井県立図書館での実際のエピソードばかりが載っていて、めちゃくちゃおもしろいです。しかし人間の記憶って適当だなぁ。


?と!のえほん たれてる(1、2才から)
 鈴木のりたけ・作 ポプラ社

ドーナツにチョコレートをかけたら、かけすぎたチョコレートがどんどんたれて…チョコレートを受けとめる食べ物が次々と出てくる発想が楽しい絵本です。たれてるシーンは間を取って充分に楽しんでからページをめくるとより面白いですよ。


これは もり(3才から)
 ジョン・クラッセン・作 なかがわちひろ・訳 徳間書店

おひさまに木や小川、優しいおばけ…ページをめくるたびに森が出来ていきます。おひさまがのぼってから全てが眠るまでを描いたデザイン的にも優れたボードブックの絵本です。独特の目で、目線を読むと想像力が掻き立てられます。


はりねずみのおいしゃさん さるくんはヒーロー(4才から)
 ふくざわゆみこ・作 世界文化社

さるくんはいつも失敗ばかり。ケガをしては毎日はりねずみのおいしゃさんのところにやって来ます。さるくんはヒーローになりたいのです。そんなある日さるくんが落ち込んでいると…。大きな優しさで包み込むような心あたたまる、子どもを励ます物語です。


ワニくんがやってきた!(5才から)
 塩野米松・原案 飯野和好・翻案・絵 農文協

まことくんの園にやって来た食いしん坊のワニくん。優しいけど、ちょっぴりドジで泣き虫のおもしろい子です。なぜかまことくんに懐くのですが、それには訳がありました…。愛はなくならない。愛は形を変えて続いていく。そんなことが何となくでいいから子ども達に伝わると嬉しいです。


♪絵本を真ん中に、親子の絆を育みましょう♪
えほん館 はなだむつこ)